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窓ガラス自体は非常に強固な物質であり、経年劣化なども起こりにくい安定した素材ですが、ひとたび強い衝撃にさらされると破砕して飛散する危険性も持っています。強固でありながら衝撃によって破砕してしまうのは、窓ガラスが薄く大きいという形状をしていることに由来しています。

実はガラス自体の強度は非常に高く、ちょっとやそっとの衝撃で破砕することはありません。しかし、これはあくまでも圧縮方向についてのことです。つまり逆方向への力、引っ張る方向への圧力には非常にもろく、簡単に破砕してしまうのです。これを一枚のガラス板に例えるなら、衝撃が加わった側の面には押し込まれることによって生じる「圧縮応力」が生じます。この衝撃力に関してのみ考えた場合は、ガラスは強固さを保つことによって破砕を免れます。しかしその一方、衝撃が加えられた裏側の面に関して考えた場合、ここには逆に押し広げられることによって生じる「引張応力」が生じます。多くのガラスはこの力に対して脆弱であり、簡単に破砕してしまうのです。結果「裏側」から破砕した窓ガラスは、表側からの衝撃によって「割れた」ように見えるというわけです。

ガラスが薄ければ薄いほど、表面に生じた圧縮応力と同等の力が、裏側に引張応力として生じるために、結果として簡単に割れてしまうことが分かります。逆に分厚いガラスほど、表面に生じた圧縮応力が反対側に伝わる前に内部で分散されることが分かるでしょう。

しかし、たとえばアクリルなどの素材と比較して、ガラス板が柔軟性を欠くことは容易に想像がつきます。柔軟性が無ければ衝撃に対する分散が行われにくくなるため、強度を保つことが難しくなることが分かります。そこで裏側に特殊加工で圧縮応力を加えておくことにより、衝撃によって生じる引張応力を相殺しようというのが強化ガラスです。この方法ならば、厚みを増さずに強度のみを向上させることも可能になるのです。